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Frank Ocean新曲「DHL」のプロデューサーがまさかのBoys Noizeで驚きすぎて吹き出したという話

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まさかこんなことが起こるなんて…。先日、Justice(ジャスティス)、Sango(サンゴ)をリミキサーに抜擢した2枚の7インチアナログ盤をリリースしたと思えば、「DHL」なるデジタルシングルまでしれっとリリースしたFrank Ocean。ファンにとっては一気に祭がやってきたくらいの勢いでかなりテンションが上がる話だとは思いますが、ここにきて新たな事実が発覚。

 なんと「DHL」を手がけたのはエレクトロレジェンドのBoys Noize(ボーイズ・ノイズ)だというから、驚きすぎてその事実を告げる本人のツイートを見た際に思わず吹き出してしまいました。

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Frank Ocean新曲「DHL」制作にBoys Noizeがプロデューサーとして参加

というのもちょっと前にBoys Noizeが、Twitterで今年でリリースから10周年を迎える2ndアルバム『Power』収録のノイジーなエレクトロ曲「Starter」の動画を投稿していたのを見かけたのもあり、”Boys Noize=ノイジーなエレクトロ”というイメージが、私の中でより色濃くバッカゲンしていたんですね。

ですので、まさかJames Blake(ジェームス・ブレイク)よろしくな美麗エクスペリメンタルR&Bとでも言いたい「DHL」をプロデュースしていたとは1mmたりとも思わず…。まさに青天の霹靂でございます。

エレクトロからEDM、そしてアーバンミュージックに進出するBoys Noize

でも、よくよく考えるとBoys Noizeって、Skrillex(スクリレックス)とのコラボでEDMサイドにも進出済みで、すでにある意味ではエレクトロの枠の外にも足を伸ばしているアーティストだし、最近もA$AP Rocky「Babushka Boi」の共同プロデューサーとして制作に参加していたりと、すでに進出済みのEDMシーンのプロデューサーたち同様に”アーバンミュージック”サイドに手を出してもそこまで不思議ではないのかも(Geniusによると厳密には「DHL」もFrank OceanとBoys Noizeの共同プロデュース曲だそうです)。

ただ「DHL」の曲調は、少なくとも私の中でのBoys Noizeのイメージとはあまりにもかけ離れすぎていたので、やっぱり意外すぎるサプライズといえばそんな感じ。とはいえ、トラックの仕上がり具合は素直に良き良きの良きでかっこいい。これ、James Blakeがプロデュースしたと言われたらおそらく、私は信じてしまうと思います。

“ジャンルの壁の崩壊”は表だけでなく裏方サイドでも進んでいる模様

最近、James Blakeしかり、Hudson Mohawke(ハドソン・モホーク)のようなベース/ビートミュージック系やそしてSebastiAn(セバスチャン)、Gesaffelstein(ゲサフェルスタイン)、Brodinski(ブロディンスキー)の「Bromance Records」周辺(Sam Tibaとか)のフレンチエレクトロ勢、さらにはBon Iver(ボン・イヴェール)のJustin Vernon(ジャスティン・ヴァーノン)など、自分たちが主戦場とするジャンル以外でもプロデューサーとして活躍するアーティストが増えているのは非常に興味深いなぁと思います。

またこういったアーティスト兼プロデューサーを起用するヒップホップ/R&Bといったアーバンミュージックシーンでも例えば、カントリーミュージックとヒップホップを掛け合わせたLil Nas X(リル・ナズ・X)、ロックとヒップホップを掛け合わせたPost Malon(ポスト・マローン)といったラッパーたちがジャンルの壁を壊し、”ポップ・カルチャー”の中で対等しているのが今の音楽シーン。

そして、そこが表の世界だとしたら、裏の世界、つまり裏方のプロデューサーたちもこれまで培った"スキル"、"キャリア"、"音楽業界で成功できるレベルの才覚"を武器に、ジャンルの壁に捉われない活動をしているという事実は、昨今のジャンルの壁崩壊やカテゴライズ不要論をさらに強固にする裏付けに他ならないなぁと。いやはや実に面白い時代がやってきたという感じですね。以上、お後がよろしいようで。

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Reference: Genius