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CRZKNYがガバ地獄大使化する超弩級のガバアルバム『GVVVV』がとにかく地獄すぎて最高

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昨年4月にアルバム『MERIDIAN』をリリースし、日本のアンダーグラウンドクラブシーンに一石を投じ、最強に狂った電子音楽家という名誉あるタイトルをほしいままにしたCRZKNYが、約1年を経て新たに新作デジタルアルバム『GVVVV』を3/1にリリースします。すでにこのアルバムのティーザー動画も公開され、全国に数多いるCRZKNY信者の心をがっちり捉えてしまっているのですが、こちら、マジで強烈で最高です。

CRZKNYが贈るガバ地獄大使アルバム『GVVVV』

そんなアルバムのテーマはガバ(Gabbar)。あの激しく太いビートを高速で打ちつけるエナジーフルなダンスミュージック、ガバ。というわけで、サンプル音源を聴かせて頂き、レビューさせて頂くと『GVVVV』とはクレイジーな電子音楽家であるCRZKNYが、地獄大使化するような超弩級にマッドなアルバムでして、とにかくその音像が地獄すぎてヤバい...。

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発売前なので、あまり内容の詳細を書くことは、やや自重気味にさせて頂きますが、これはガバの有名ダンス「Hakken Dance」必至。Hakken Danceのあの足を斧に見立てるような動きがCRZKNYのライブのフロアでは今後多く見られることになるでしょう。

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BPM135にスロウダウンされた4曲にも注目

またアルバムには14曲収録されているのですが、そのうち10曲がガバで、残り4曲は収録曲のBPM135バージョンになっています。普通の四つ打ちテクノとかで考えればかなりBPM早めなのですが、オリジナルから比べればそのスロウダウンされたバージョンもまたスロウダウンされているからこその怪しげな艶かしさを感じるほどにトリッピーに聴こえてくる点は見逃せません。超個人的な感覚からの感想で言えば、 『MERIDIAN』の2枚目[meander / meridian / death ] の続編としても楽しめる退廃ダークテクノでかっこいい。オリジナルとはまた違った独特の音像を楽しめます。

独特なパワーワードを採用した曲名

話戻って本編の感想を述べると、まず収録曲の曲名が良いです。ともかくこれはトラックリストで確認していただければわかると思いますが、「LOST」、「FUCK」、「PEAK」、「SCUM」、「HIGH」など4文字の英単語によるシンプルな曲名がハッキリ言って単純明快に音源のヤバさを一発で伝えてきます。

先週、ラッパーのYoung Thugが何を思ったかアーティスト名を「SEX」に改名するという事態が起こり、単純明快な中学生ノリ全開パワーワードが世間様の注目を集めました。奇しくもこのタイミングで『GVVVV』にも同じように昨日までエグザイルを聴いていたくせに急にパンクに目覚めアナーキストぶりだした中学生が、夢中で口にしてしまうようなある意味中坊殺しなパワーワード満載なところが私は大好きです。

1曲目の「LOST」の激しいガバキックを聴いた段階でおそらく気づくと思いますが、一度再生を始めれば"LOST"というシンプルなワードそのままにマジで意識がロストしそうになるような高揚感に沸き立つことがそれを証明している気がします。そのあたりのネーミングセンスもトラックメイクのセンス同様、CRZKNYは本当に秀逸なセンスの持ち主だなぁと感心します。

そういう意味では現代の中学生が、ちょっと不良なパイセンに次に聴くべき音楽として薦められるべき音楽だなと思います。絶対そいつ、次の日から口癖のようにFUCKだ、SCUMだと連呼するはず的な魔力を秘めているのがこのアルバムではないでしょうか?

よく最近の若者が何かに感じいることがあれば”Feelする”と言っていますが、私的には例えば「LOST」を聴いて「Lostする」と言いたくなりました。

あと、アルバムは正直全曲破壊力満載なのですが、発売前の今、あえて一番のオススメをあげるとすれば、6曲目の「GUTS」ですかね。ハイハットとガバキックの組み合わせにほのかに薫るJUKE具合。ハイテンションになるための音楽の見本です。

近年、ガバでいえば、ヨーロッパではイタリアのオリジナルガバ原理主義で懐古主義的なGabber Eleganzaが、モロ90sなファッションとともにトレンドに敏感な人々の間で注目されていますが、このCRZKNYによる『GVVVV』は、音的にはそこにも通じるものがありつつも、そういった事情はお構いなしに彼流の美意識の下、作られたCRZKNY流のガバのエレガンスさを感じる作品なのかなーとも勝手に思っています。

アンダーグラウンドの狂気さ、中坊殺しのパワーハード的曲名、そして何より鳴り響き、音楽フェチを惑わせる魅力のガバキック…。またえらい作品が世に投下されたとしか言いようのない本作。ガバ地獄大使というCRZKNYのアナザーサイドを覗いて見たいという人はマストチェックするべし。

 

アンダーグラウンドのかっこよさを再認識

Gabber Eleganzaが、以前、ファッションブランドのDior Hommeとコラボし、キャンペーン広告動画を作っていましたが、CRZKNYもこのアンダーグラウンドの美意識を持って、ハイファッションやモードのシーンに進出してほしいなとも思いました。

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そういう意味ではアンダーグラウンドの美意識も、ハイブランドのファッションショーに出てくる「これ、どうやって着るねん?」的なモードな洋服の美意識も、もはや普通の人にはなかなか伝わらない、高尚な部分でのかっこよさで通じ合うものであり、"アンダーグラウンド=マニアック#というありがちな認識というのものはすでにズレた感性なのでは? と思えます。

アンダーグラウンドにはうんこを撒き散らすかのようなキワキワな表現をするアングラさもあれば、このようにオシャレ上級者にFeelする上等なアングラさもある。感性の違いで白にも黒にもなるところがアンダーグラウンドな世界の想像物であり、それをいかに高尚でアートとして見せられるかどうかがアーティストの実力なのだ的なことを改めて感じさせられました。

発売前の時点ですでに盛り上がっていますが、色々な捉え方ができる作品だと思うので、気になった人は発売日にスピーカーと向き合って聴いてみてください。

なお、CRZKNY『GVVVV』の詳細はこちらでどうぞ。

GVVVV

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  • CRZKNY
  • テクノ
  • ¥2100

 

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Text by Lady Citizen aka JF