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K-POP初心者が聴くBTSとJuice WRLDによるアーバンすぎるBTS流エモラップ「All Night」

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ほんと最近の話で恐縮ですが、ガールズK-POPグループ・Red Velvet(レッド・ベルベット)の「짐살라빔(Zimzalabim)」という曲を聴いて、いきなりK-POPに目覚めてしまったという私。 

 

そんなわけで以前はあまり気にならなかったK-POPの新譜情報も今ではかなり気になってしまうという感じなのですが、いきなりまたトンデモナイリリースを発見。なんと今週、BTS(防弾少年団)とJuice WRLD(ジュース・ワールド)がコラボした「All Night」という曲がリリースされているではありませんか!

BTSとJuice WRLDがコラボしてエモラップ曲をリリース

私は、以前の記事にも書きましたがBTSについては、ネットニュースで話題になっていることをうす〜く知っているくらいで、曲もがっつり正座して聴き込んだこともないくらいのK-POP初心者ですが、この「All Night」は、好きなラッパーがフィーチャーされているということで、しっかりとチェックさせていただきました。

 

現在のヒップホップシーンを代表するラッパー、Juice WRLD

Juice WRLDといえば、Sting(スティング)の「Shape of My Heart」をサンプリングした「Lucid Dreams」で特大バイラルヒットを記録するなどXXXTentacion(XXXテンタシオン)、Lil Peep(リル・ピープ)亡きあとのSoundCloud Rapシーンを背負って立つ存在です。

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今年3月にはカバーアートの『マッドマックス』感も最高な2ndアルバム『Death Race for Love』をリリース、4月にはK-POPつながりでいえば、BLACKPINK(ブラックピンク)も出演していたアメリカの有名フェス、コーチェラ2019にも出演。

先述のアルバムの世界感を踏襲したマッドマックス的な舞台装置の中でのライブも話題になりました。このような活躍ぶりを考えるとJuice WRLDは、現在20歳ながら今やSoundCloud Rapの枠を超え、ヒップホップシーンを代表するラッパーだと言えるはず。それくらい活躍ぶりがめざましいのです。(去年の来日公演も日曜の真夜中開催に関わらず、東京のヒップホップの聖地的クラブ、Harlemがパンパンでした。ですので、あのタイミングでライブを観ることができて良かったと思います)

「All Night」は『BTS WORLD』のサントラ『BTS WORLD OST』収録曲

ただJuice WRLDについては知識が多少はありますが、私は所詮K-POP初心者のため、BTSに関する知識はほぼありません。そんなわけで「All Night」について気になったことを色々と調べてみました。

まず、「All Night」は、6/28にリリースされるスマホゲーム『BTS WORLD』のサントラ『BTS WORLD OST』収録曲で、同OSTからの3曲目の先行曲。90sライクなメロウでジャジーなトラックにはBTSよりラッパーのSugaとRMが参加しており、Juice WRLDはそこにコラボレーターとして参加しています。

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トラック的なStab音色のコードとブギーなベースラインが印象的で、歌うようなメロディーラップのパートもあったり、ラップのフロウもかなり今っぽい。ヒップホップ好きの人からしてもJuice WRLDと韓国語を操るラッパーのコラボ曲としてシンプルにカッコいい曲として捉えられるのではないかと。おそらく、ヒップホップのDJが普通にクラブでプレイしてもBTSを知らないと、”なんかよくわからないけど普通にイケてるトラック、流れてきたな”となるのでは?

リリックで「ARMY」を絡めて言葉遊びするJuice WRLD

一方、リリック面を見てみるとJuice WRLDは、BTSのファン(英語風に言えばファンダム)を指す、「ARMY」を参照しながら、

"Uh huh, ayy, she calls me charming, need an ARMY
Marching for your love, I'm a sergeant"

とラップ。軍隊の意味をもつARMYと軍曹の意味を持つ”Sergeant”というミリタリーワードとして言葉遊びをしているところがおもしろいです。

このARMYという言葉ですが、私はBTS初心者なので、調べてみると元々は”Adorable Representative M.C. for Youth”の頭文字からきているそうです。ちょっとSMAPの”Sports Music Assemble People”みたいだなと思ってしまいました。それにしても”ARMY=若者を代表する魅力的なMC”、まさに今、世界中の若者を熱狂させている彼ららしい関連ワードですね。

このARMYという言葉はBTS Wiki on Fandomによると2013年7月9日に彼らのファンクラブ名として公式に採用されたそうです。人に歴史ありというか、K-POP初心者にとっては改めて奥が深い世界だなと感じさせられます。

 

制作にNYヒップホップコレクティヴ「Pro Era」のPowers Pleasantが参加

興味深いのがこの曲の制作陣。BTSのSuga、RM、Juice WRLDはソングライターとしてクレジットされていますが、プロデュースは、NYのヒップホップコレクティヴ「Pro Era」所属のPowers Pleasant(パワーズ・プレザント)が担当。ガチなヒップホップ曲として制作されている同曲ですが、これに関してGennisは、Powers Pleasantも所属する東海岸ヒップホップのドリームチーム「Beast Coast」のインタビューを参照しながら、彼らがK-POPとのコラボについて意欲的だということやPowers PleasantがBTSの名前をシャウトアウトしていたことを紹介しています。

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さらにPowers Pleasantは、SNSに「Pro Era」に所属する人気ラッパーのJoey Bada$$(ジョーイ・バッドアス)、RMが一緒に写った画像をアップするなどK-POPとの蜜月ぶりを示しています。

また私は全く知らなかったのですが、SugaとRMはBTS以前にすでに韓国のアンダーグラウンドラップシーンではよく知られる人物だったとのこと。そして、BTS自体も本質的にはヒップホップグループで、彼らは90年代のアイドルラップグループのSeo Taiji and Boys(ソテジワアイドゥル)の系譜に連なる存在だ的なことにも言及されていました。

 

Seo Taiji and Boysについて、ちょっと調べて見たら、今のK-POPの元祖的な存在だそうで、90年代に韓国にラップブームを巻き起こした重要グループとのこと。(日本でいえば、EAST END×YURI的な感じなのかな。もしくはスチャダラパー?)調べているとアジアの音楽シーンをレプリゼントする88risingがSeo Taiji and Boysを紹介する動画を公開していました。

さすが88rising。仕事がきめ細かい。動画のタイトルからもわかるとおり、彼らは確かにK-POPの元祖で今、注目のKヒップホップの"OG"のようです。

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このあたりのBTSと現行のUSヒップホップシーンとの関係を知ると、今回の「All Night」がアイドルポップの域を超えたクオリティに仕上がっているのも納得できるという…。ですので、おそらくヒップホップは好きだけどK-POPはあまり聴かないという人にとって、このJuice WRLDとのコラボはK-POPに触れる良い機会になるはず。

その証拠に「All Night」リリース後、6時間でBTSのSpotifyフォロワー数が1万3000人増加したそう。これは、Juice WRLDを起点になっていると思われ、先述のPro Era、Beast Coastのくだりを知れば、よりBTSの音楽に興味を持つ人が増えるのではないかなと。

 

『BTS WORLD OST』にはCharie XCX、Zara Larsson、Mura Masaら人気アーティストが参加

あと『BTS WORLD OST』の先行曲では、往年のDeadmau5(デッドマウス)系のメロディックなシンセも印象的なUKのCharie XCX(チャーリーXCX)とコラボしたトラップ曲「Dream」、Mura Masa(ムラマサ)プロデュースでトライバルなトラックにのせてZara Larsson(ザラ・ラーソン)が歌う「A Brand New Day」という曲も素晴らしいです。

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いずれのゲストも現行のポップスシーンを代表するアーティストのため、そういった人物を客演に迎えることができるということからは、現在の音楽界におけるBTSとK-POPの立ち位置がどんなところにあるかが窺い知れるなぁと思いました。

 

スマホゲーム『BTS WORLD』は“ストーリーテリング型育成シミュレーションゲーム”

なお、「All Night」もサントラ曲として使われているスマホゲーム『BTS WORLD』は、本日6/26にグローバルリリースされます。4Gamer女子部(仮)によりますと、ゲームは “ストーリーテリング型育成シミュレーションゲーム”というジャンルとなり、BTSメンバーのカードを集めて育成することで物語が展開。

 “メインストーリーとなる「BTS STORY」では,BTSのチケットを手にライブへ向かおうとしていた主人公が,BTSが結成される前の2012年にタイムスリップしてBTSのマネージャーとなる物語が描かれる。プレイヤーは主人公となって,彼らが人気グループへと成長する過程をともに体験できるそうだ。加えて,ホテルマンや推理作家を目指す学生,畑仕事を手伝う都会っ子といったさまざまなシチュエーションでBTSメンバーのエピソードが楽しめる「ANOTHER STORY」も用意されている。「もしもBTSじゃなかったら?」というパラレルワールドでの物語で,彼らの新たなこれまで見たことがない姿が見られるという。さらにスマートフォンでのビデオ通話やSNSのやりとり風なメンバーとのコミュニケーションも楽しめる,ファンには嬉しい機能もある。”

とのことです。私は、ゲームを全くやらないので、この機会にちょっとやってみようかなと思ったり…。以上、お後がよろしいようで。

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Top Image via AJEONG_JM

Source: Genius1, 2, Wiki, 4Gamer女子部(仮)