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Kudo Kamome『Trypophobia Experiments』のエクスペリメンタルでミュータントなJ-POP感

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先日、TwitterのTLで流れてきたツイートの中で発見したKudo KamomeというアーティストのEP『Trypophobia Experiments』。そのリンク先のBandcampページによると、京都拠点のシンガーソングライターの方らしいのですが、この音源が素晴らしい。

ミュータントなJ-POP感を演出する多国籍プロデューサー陣

内容的にはエクスペリメンタルなベースミュージックを基調としたトラックに日本語の歌が乗るといった感じなのですが、こういうミュータントポップ感はめちゃ新鮮。なので勝手に”Mutant J-POP”と名付けたいと思います。

今回のEPに関しては4曲中、3曲が提供曲のようですが、特に1曲目の「Middle of the End」がイケてます。ハイクオリティーだし、UKベースミュージックとかの本場のシーンでも全然通用しそうな仕上がり具合。先ほどこのEPをMutant J-POPと言いましたが、この曲がそれを1番体現している気がします。

そしてシンガーの儚げな歌声とトラックの相性がすごく良い。ちなみにプロデュースはHAMACIDE。このプロデューサーは、Grimesの来日公演のサポートやアルバムにも参加している台湾のAristophanesのプロデュースや、Faded Ghost名義などでも活動する上海のChaChaのプロデュースも手掛けているお方。あと調べていたら以前、日本のOilworksなどからもリリースしていたことがあるそうです。いやはやかっこいいトラック仕事ありがとうございます!!

2曲目「Orion」のプロデューサーのDownstateも面識ありませんが、中国で活動しているDJというのはほんのり知っていました。こちらも醒めるような深くエクスペリメンタルなシンセがドラッギー。3曲目「Amorphous」はインダストリアルさがEP中最も際立っている印象を受けるのですが、歌詞の内容と世界観の合致ぶりが素晴らしい。4曲目は、Kudo Kamomeのセルフプロデュース。打って変わってノイジーな轟音ギターが唸るトラックに。急にこれまで脈々と受け継がれてきた関西アンダーグラウンド臭がするところがポイントかなと思います。余談ですがこのEPのマスタリング担当は世界のYosi Horikawaというところも胸アツな部分です。

リリース元レーベル・Twin Capitalのカタログをチェック

このEPのリリース元であるTwin Capitalは東京と京都が拠点らしいのですが、リリース内容が実にインターナショナル。レーベルサイトを見ていたら何気に日本のAfra、Olive Oilの名前があったり、大阪のラッパーのGEBOの名前もありました。GEBOは、私が初めてDJ Krushを見たイベントで、大阪の今は無き某クラブでオープニングアクト務めていて、ライブがかっこよすぎたから物販でCDを購入した記憶があります。

またレーベル音源をディグっていたら、リミキサーでPrefuse 73が参加しているトラック、Malcolm Voltaire「Off The Court (Prefuse 73 Remix)」という100% Prefuse印のものがあったりでテンションがアガりました。他にもLA、上海などのアーティストのリリースがあり、アンダーグランドで地下水脈的ネットワークを着実に築き上げていることがわかります。

Kudo Kamome『Trypophobia Experiments』をそうですが、Twin Capitalのことを知ることができてラッキー。コアな音楽リスナーはチェックしておくべき良質アンダーグラウンドレーベルだと思います。

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 Text by Lady Citizen aka JF
Top Image via Twin Capital Bandcamp